今、喫緊の政治課題は「年金改革」です。ここでは、年金制度改革への取り組みをご紹介いたします。

   ■ 主婦の年金 届け出忘れ全面救済 2005.5.8    
公明党の主張で実現
受給権取得、支給増額も
                           公明新聞:2005年5月2日付
心当たりあれば社会保険事務所に相談を

 サラリーマン世帯の専業主婦などが「第3号被保険者の届け出」を忘れたために年金加入歴に空白(未納)期間が生じ、無年金となったり老齢基礎年金を減額される、いわゆる“主婦の年金空白”問題を解決するため、今年(2005年)4月から特例の届け出が認められました。

 これは先の年金制度改革で公明党の主張により盛り込まれたものです。
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 会社員の夫に扶養されている専業主婦などは、市町村の窓口に届け出れば自ら保険料を納めなくても「第3号被保険者」として老後に年金を受け取ることができます。しかし、短かい期間でも会社に勤めて厚生年金に加入した場合には、退職後に改めて夫の年金の第3号被保険者になる届け出が必要で、これを怠ると、保険料納付期間に算入されない空白期間が生じてしまいます。

 これまで、届け出漏れに気づいた場合は2年以内に限り復活が認められてきましたが、それ以前の空白期間は“保険料未納扱い”のまま。その分、年金が減らされたり受給資格が得られなかったりしていました。

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 しかし、改正年金法では、この届け出忘れについて2つの特例を認めることにしています。

 ■一つは、今年(2005年)3月以前の特例で、届け出れば、忘れた理由に関係なく、2年より前に遡って第3号被保険者だったとみなすことにしています。最長では、第3号被保険者制度ができた1986(昭和61)年4月まで遡って保険料納付済み扱いをされるため、年金額が増えたり、無年金の中には受給資格期間(25年以上)を満たして受給権が得られるケースもあると考えられます。

 ■もう一つは、今年(2005年)4月以降の未届け期間についての特例。今後も、パート就労や夫の失業に絡む公的年金の種別変更など「やむを得ないと認められるとき」は2年以上前の期間も3号被保険者であったとみなします。

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 特例の届け出については、4月中に社会保険業務センターから「国民年金第3号被保険者特例措置該当通知書」が郵送されてきた人は、手続き不要です。該当する受給者には、自動的に今年(2005年)5月分の年金額(6月支払い)から反映され、6月中旬には年金額改定通知が送付される予定です。

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 2002(平成14)年4月以降は3号被保険者の届け出を会社側で手続きする仕組みに改めたため、届け出漏れは起こりにくくなりましたが、それ以前は本人が直接窓口に出向く方式だったことから、届け出漏れに気づいていない人も多いとみられます。心当たりがある人は、最寄りの社会保険事務所に問い合わせてみることが大切です。

   ■ 年金制度の一元化「共済と厚生」の先行を 2005.4.24    

数値あいまいな民主案
山口氏らが強調 直面する課題の議論重要
社会保障改革両院合同会議


←意見表明で公明党の考え方を述べる山口政調会長代理

       公明新聞:2005年4月23日付

 衆参両院の決議に基づく与野党5党の「社会保障制度改革に関する両院合同会議」(会長=与謝野馨自民党政調会長)は22日午後、国会内で会合を開き、公明党から山口那津男政務調査会長代理が意見表明し、自由討議を行った。

 公明党からは坂口力副代表、冬柴鉄三幹事長、井上義久政務調査会長、福島豊厚生労働部会長の各衆院議員と、山口政調会長代理、遠山清彦厚労部会長代理の両参院議員が出席した。

 意見表明で山口政調会長代理は、「昨年の年金改革は極めて優れた抜本改革である」と強調し、「年金制度の一元化や年金財源のあり方、3号被保険者問題など、残された課題について建設的な議論を行いたい」と決意を表明。その上でまず、「被用者年金(共済年金と厚生年金の)の一元化を進めるべきである」とし、「国民年金との一元化については、その実現の先に展望するもの」との見解を述べた。

 また、民主党が主張する国民年金を含めた一元化について、「給付と負担がどう変わるのか」「最低保障年金の給付額はすべての人に同額なのか」など、「肝心なところが明かされていない」と指摘した。

 さらに、被用者年金の一元化と、国民年金を含めた一元化のいずれの場合でも問題となる「年金の個人単位化」や「基礎年金のあり方」などについて検討を開始するよう強調。このうち、基礎年金のあり方の中で議論されている「税方式と保険方式」について、「持続可能な制度を構築するために、どちらの方式が好ましいか検討する必要がある」と述べた。

 こうした課題について山口政調会長代理は「国民年金を含めた一元化さえ行えば、すべての問題が解消されるような議論は国民を欺くことになる」と指摘し、現行制度が直面する問題点について、解決策を議論していくことが肝要と訴えた。

 この後、自由討議の中で井上政調会長は、14日の同会議で民主党の岡田克也代表が(1)1階部分の最低保障年金は全額税にする(2)2階部分は所得比例年金にする――など5項目にわたって民主党の年金案を提示し、昨年、民主党が提出した法案と同じ趣旨と述べたことに対し、昨年の案を正確に見れば「『1階部分』『2階部分』という概念がそもそもない」と指摘し、民主党の年金制度案の矛盾をただすよう訴えた。

 また、福島厚労部会長は「単純に国民年金と一元化すれば保険料の徴収比率が上がるとは思えない」と述べ、年金の空洞化に対する対応について、パート労働者の適用拡大、フリーターやニートなどの社会保障制度上の位置づけの強化を訴えた。

   ■ 社会保険庁改革を 村瀬長官に要請 2004.8.21    

村瀬長官に西田氏ら要請
年金窓口の混雑緩和を
埼玉県本部

←村瀬社会保険庁長官(左)に同庁改革で申し入れる西田氏(中)、山本氏

       公明新聞:2004年8月21日付

主な要望――
相談業務の時間延長・休日実施
コスト意識の徹底と業務効率化
個人情報の流出防止へ管理強化

  公明党埼玉県本部(高野博師代表)の西田実仁経済会議議長(参院議員)は20日午前、さいたま市浦和区にある埼玉社会保険事務局で村瀬清司社会保険庁長官と会い、保険料のムダ遣いや個人情報の漏えいなどで国民から強い批判を浴びている同庁の改革について申し入れを行った。同県本部の山本晴造幹事長(県議)が同席した。

 席上、西田氏は、7月末に民間から初登用された村瀬長官の改革手腕に期待を寄せた上で、「社会保障の給付や保険料徴収の実務を担う社会保険庁の役割は重要だ。国民の信頼を回復し、真に利用者本位のサービスが提供できるよう、大胆な改革を」と要請。特に、埼玉県内の一部地域で年金相談窓口が著しく混雑し苦情が相次いでいる実態について、事例を挙げて指摘し、「都道府県の枠を超えた人員配置の見直しが必要だ。アウトソーシング(外部委託)も含め改善をお願いしたい」と訴えた。これに対し、村瀬長官は「真摯に受け止め、現場と相談して適切に対処したい」と述べた。

 また西田氏は、同庁の改革について「年金相談など利用者への対応が変わらなければ、いくら改革を進めても、国民はその実感を持てない」とし、(1)利用者の疑問に的確に対応できる体制整備(2)年金の裁定手続きの簡素化(3)年金相談業務の時間延長・休日相談の実施――など、サービスの向上につながる具体策を検討するよう主張。さらに、労働保険や共済組合とも連携できる効率的オンラインシステムの構築、職員へのコスト意識の徹底と業務の効率化、個人情報管理の徹底などを申し入れた。

 これに対して村瀬長官は「国民に信頼される社会保険庁をめざして改革を進める」と述べ、業務の抜本改革について検討する改革推進本部を設置して検討を開始したことを説明。さらに、年金相談の時間延長について、今週(16日から5日間)に午後8時までの延長を初めて実施したことを紹介し、「少しずつ変わりつつあると思うが、今後も適切なアドバイスをお願いしたい」と述べた。

   ■ 年金改革の「実像」 2004.7.3    
「確実な給付」将来まで可能に
年金不安を解消した意義大きい

質問に答える堀 勝洋・上智大学教授

公明新聞:2004年7月2日付

 先の通常国会で焦点となった「年金改革」が参院選の大きな争点の一つとなっていますが、評論家やマスコミなどの評価には、一部に誤解に基づく批判も見受けられます。そこで、社会保障審議会の年金部会委員を務めた堀勝洋・上智大学法学部教授に、年金改革の「実像」について話を聞きました。

当面困難な一元 化掲げるのは無意味

 ――今回の年金改革に関する見解、評価を。

堀 よくぞ、これだけの改革をやった、と評価しています。
 年金制度にとって一番大事なことは何か。それは、「将来とも、確実に年金がもらえる」ということです。そのために何が必要か。それは、将来的に、入ってくる保険料と、出ていく年金の費用のバランス(均衡)が取れるということです。
  今のままだと、少子高齢化の影響で、年金給付費の総額と比べて、保険料収入の総額が相当少なくなります。そこで今回の改革では、少しずつ給付水準を下げ、保険料は上げる形で給付と負担のバランスをとりました。しかも2017年まで保険料を上げ、23年まで給付水準を引き下げる、という改革です。
 従来なら、政治が避け、先送りしてきた“国民に不人気な政策”を、しかも参院選前に断行した。私は、これは大英断だ、非常に勇気のあることだと思っています。そして、この決断に果たした公明党の役割は、非常に大きかったと思います。

――従来の改革との違い、評価すべき中身は。

堀 これまでは年金財政の収支バランスを5年ごとの改正で調整してきましたが、今回はそれを自動的に調整する仕組みを導入しました。従来は、政府自らが5年ごとに「年金財政は大変だ」と年金の危機を訴えて改革をやってきたため、国民の年金不信、不安をかきたててきたという側面があります。それを解消させた意義は大きい。
 もう一つ。これまでは「負担はどこまで上がるのか」という不満、「給付水準はどこまで下がるのか」という不安がありましたが、今回は、厚生年金保険料の上限を18.3%、給付水準の下限を現役平均手取り収入の50%以上(モデル世帯)といった形で、給付水準には下限を、保険料水準には上限を設けました。この点も高く評価できると思います。
 この点について、野党や一部の研究者、マスコミなどが、「14年も連続して保険料を上げ、19年も給付を下げていく」などと批判していますが、これはあくまで将来も年金が受けられるようにする勇気ある決断。大評価すべき点です。

“あら探し”の報道に問題も
 ――テレビ報道などを見ると「反対論の大合唱」といった感じですが。

堀 一口で言えば“あら探し”です。本質的な最重要の問題、つまり年金財政の収支バランスの問題には目を向けずに、ささいなことばかり取り上げています。国会審議も同様にひどい内容で、いい大人が壇上で足踏みしたり、意味のない演説の繰り返し、パフォーマンスとしか思えない採決の反対。マスコミもマスコミで、一部の学者による“あら探し”を大々的に扱う。そういう報道のあり方も問題ではないかと思います。
――どこにポイントを置いて、年金改革を見ればいいですか。

堀 今の段階で「負担は上げない」「給付水準は下げない」というのは、すべて先送り論です。民主党案も全体像がよく分かりませんが、ただ、現在既に年金財政は単年度で赤字なのに、それを放置して「5年間かけて議論する」と言っているわけですから、これも明らかに先送りです。野党は政府案を先送りだとか抜本改革でないとか言いますが、今回の政府の改革こそ、先送りしない「抜本改革」だと思っています。
 もう一点。一元化がいいとか、スウェーデン方式がどうとか、いろいろ意見はありますが、国民が見極めるべき重要な点は、「将来年金が確実にもらえるようにするための改革かどうか」。これがポイントです。

――一元化こそ抜本改革という論調がありますが。

野党の主張は改革先送り論
出生率だけで制度の前提揺るがず

堀 一元化したからといって、それだけで給付と負担のバランスが図れるわけではありません。同じ制度にすることで公平性は高まりますから、厚生年金、共済年金はやるべきだと思いますが、国民年金を含めた一元化は、自営業者の所得の把握という問題もありますし、非常に難しい。私は、当面できるはずのないことを掲げるのは、ナンセンスだと思います。

――今回の改革に世論は「7割が反対」と。この数字については。

堀 一部のマスコミが年金不安を煽った。それが一番の要因だと思います。スウェーデンの改革と比較してみたり、年金一元化が年金問題の特効薬のように宣伝したり、国会議員の未納・未加入問題など本質的でない問題で国民の不信感を煽ったり。また、給付水準が65歳以降は順次下がっていく問題なども。これらはすべて、「将来も年金制度を維持可能にする」という今回の改革からすれば、重要な問題ではないのです。

――昨年の出生率が1.29となったことで、「制度の前提が崩れた」との批判もありますが。

堀 これも大騒ぎしすぎです。年金制度というのは、超長期的な制度。今回の改正では、約100年間で財政収支のバランスをとっていますが、その前提となっているのは出生率だけでなく、経済成長率や物価上昇率、あるいは労働力率などもあります。一部の将来見通しが一時期だけ狂っても大騒ぎする問題ではありません。

   ■ 出生率1.29の影響は? 2004.6.13    
年金改革の給付水準に影響なし
試算の前提1.39は50年後の基準
少子化対策や景気回復が重要

問い 厚生労働省が10日に発表した2003年の合計特殊出生率は1.29でした。政府の年金制度改革は1.39が前提だったと思いますが、モデル世帯で50.2%とした給付水準に影響はないのでしょうか。

 年金財政試算の前提となる合計特殊出生率1.39は2050年を基準時としたものです。一方、今回発表された1.29という数字は、03年の合計特殊出生率です。

 そのため03年の合計特殊出生率1.29が、直ちに今回の年金改革の給付水準に影響するものではありません。03年の出生率自体が年金財政に影響が出てくるとすれば、それは20年以上も先の話です。従って、今すぐに制度の前提を見直し、それに合わせて給付水準も見直さなければならないというものでなく、中長期的な視点で判断すべきものです。

 少子化は多くの先進国共通の課題であり、欧州諸国でも少子化対策に力を入れることにより、出生率の低下に歯止めがかかっています。例えば、イギリス1.63、フランス1.90、スウェーデン1.57などです(いずれも01年)。

 仮に2050年という約50年先の将来においても、出生率の低下に歯止めがかけられず、1.39という出生率も維持できないとすれば、それは年金財政だけの問題でなく、社会全体に大きな影響を及ぼすことになります。だからこそ公明党は、安心して子どもを産み育てられる社会にするため、総合的な子育て支援の充実など少子化対策に全力で取り組んでいるのです。

 年金制度は、長期的な経済の前提、労働力率、出生率などをトータルで考えて設計されていますが、中でも当面の年金財政に大きな影響を与えるのは、経済情勢です。例えば、景気回復に伴った株価・金利の上昇や企業の財務状況改善などは、運用利回りなどを好転させます。

 わが国経済も、ここにきて長期の不況を脱し、民需主導の景気回復の兆しが現れつつあります。03年度の経済成長率は3.2%(実質)ですが、名目でも3年ぶりに0.7%のプラスとなりました。出生率の低下というマイナス要素だけでなく、こうした景気回復傾向というプラス要素も含めて考えれば、直ちに「年金改革の前提が崩れた」などという批判は当たりません。

 なお、最新の合計特殊出生率データを、「なぜ年金改革関連法が成立してから発表したのか」といった批判が一部のマスコミなどからありますが、合計特殊出生率は、毎年この時期(6月)に発表されています。

(公明新聞:2004年6月13日付)

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